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中田安彦「ネット世論が日本を滅ぼす」を読む。 [本]

 久々に書評です。
中田安彦さんの「ネット世論が日本を滅ぼす」を読みました。

今回の本は、これまでの本と少し違います。キャッチーなタイトルかつ新書版。ターゲットを広めに設定した意欲作。これまでの研究と知見を下敷きにして、自らの経験も赤裸裸に綴ったヰタ・ポリティカルソート的な内容も含んだ本になっています。私も中田さんの思想の変遷を興味深く読みました。

そこから結論付けた、自らの意図に基づいての、穏健中道派のリベラル派、保守派を育成する「ポジショントーク」であると明言していて、それはまさにこの拙いblogとも合致する所。

 このblogも最近数年更新が滞っていますが、その理由として、身辺の変化もありますが、実の所、無力感もあります。

もともとショック・ドクトリンの邦訳が出ない事に業を煮やして、つたない訳でも乗せようと、政権交代前に始めたblogでした。今や遊び無くテキストで埋まったblogなんて、まともな書籍の様に埋もれて見えなくなり、実際にはこれまで人口に膾炙しなかった驚く様な情報がいろいろ出て来ているにも関わらず、それによって人々の知見が深まる訳でもない。ショートサイクルのSNSが大勢となって議論は劣化し、事態はどんどん難しくなって行くように見える。

例えば、「学園祭」を一発やって地域社会の理解を得て、プロモーション効果も狙って、採算もプラスで頑張ろうとしたとする。経営陣と効果を議論し、利用範囲やちょっと予算もらったりして、一方で開催の実行権限を握る左翼セクト(年がバレますがw)と調整し、誰でも参加出来る様、企画営業して実行して金もバズも上げようと。周りを振り返れば、そんな目論みを共有できる人がとんといない。
無意味なポリシーで全体のまとまりを割ってしまうグループ、無関心層、なんかやらせろと主張するので、スポンサーから飲み物貰ってセットした、仕入れも売り上げも関係ない町内会バザー的たこ焼きとかクレープ屋で、最終日なぜか感極まって泣いたかと思えば、アーティストを自分が呼んだかのごとく話し出すライブの警備係という様なのは(笑)分かってくれる方も多いと思います。

用意された物でスッキリするだけのたこ焼きや警備員ポジションは、旨い表現だなと思いましたが、文春系「大人のエロ本」でカタルシスを満たしスッキリするネトウヨであり、スポンサーイベントを資本主義の犬(笑)と反対し、自らの根城に赤字を計上させ、権利を主張するばかりの左翼は、永遠に着地点の話し合いにつく事が出来ない、恐怖に取り付かれた反原発運動の人々と言う事になりますか。

バーネイズを訳した中田さんにはこれも専門の領域ですが、大衆にはセックスとスクリーンとスポーツの3S与えとけば良いという話は結構正しいと言わざるを得ない。カタルシスを本能的な代替物で充足させて、不都合な課題から矛先を変え、ガス抜きする訳ですね。
結局プロパガンダのコントロール枠内の想定事象であって、この何年か、政治課題が上がる度に、それらに対して新たなポジションが生まれて人は割れ、割れたまま無駄な刹那的ショートサイクルのムードの競合いが続く。

実際、Twitter等は、ホイチョイ細切れカタルシス充足独り言メディアと相成り、Facebookはもう少し手の込んだ素敵生活称揚組合といった様相で、狙って作られたのではないかと勘ぐるくらいです。あれだけ叩かれた2ch掲示板よりむしろ劣化している様に思う。テーマに対する議論にさえならず、さざ波のようなラインダンサーが続くだけで、ちょっと無力感に苛まれてしまったというのがホントの所です。

 中田さんの本の内容の中で、個人的に、読まれる方に一番判って欲しいのは、「経済活動=共同謀議」と喝破している所です。「日本再占領」の感想でも、プリンシパル・エージェントの関係は、どうも普通の町場の経済活動と変わらないようだ、として書かせて頂きました。

http://zutsuki.blog.so-net.ne.jp/index/12

ビジネスを始めるには市場調査をしますが、それだけでは後追いの商売しか出来ない。まずは「目論見、仮定」てのが肝であり、皆、「うちのこのアセット使ってなんとかあの連中に売れないかなあ」、とかそういう事ばかり考えて食っているのです。

もっとも、株主説明責任とコンプライアンスにがんじがらめになって居る大企業は、やる事をアジェンダ化されてしまうんですが、それは置いといて、私は陰謀=事業目論見と言いたいくらいです。それが様々なポジションや大きくも小さくもローカル事情で行われているだけに見える。

 この辺、経済活動による納税ポジションの人間なら皆分かっているかと言えばそうでもない。

「おつとめ」的に社内評価で自己実現を求める公務員的ポジションの人々は、大きな企業ほど多くなる。企んで成功して積み上がった果てに自分が食ってる暖簾代が今ある事が、頭から抜け落ちている。学祭ネタではないですが、そんな社員を国民と置き換えてみれば、外圧で飲まされた規準に苦しめられていること含めて、やはりとても構図としては似ているのです。

私的な話で恐縮ですが、出向から戻り、昨年まで2年間注力した仕事で、大きいビジネスではないもののそこそこ人口に膾炙しているテーマがあります。昔大きかったけど今調子の悪い2つの業界と、伸び悩む+1くらいの業界の一部がそれで一息ついている。個人的にその仕事は私にとってはライフワークで、業務指示関係なくこの10年で3度目の挑戦でした。

強い人や安全地帯にいる人は、弱ったりリスクにさらされないとなかなか他人の話を聞いてくれない物で、最初の「陰謀」の際は、まだ誰も弱っていなかったので各業界聞いてくれなかった。ちょっと早すぎました。2回目の陰謀は、相手側がちょっと弱って一部賛同してくれた。でも逆に内部の対立もあって身内が途中で引いた。

今回追い込まれて来て出来る事が少なくなった「おつとめ」中心の身内が自分で始めようとしたのですが、対になる業界の協力が全く取り付けられていない。

プロトコルの違いというか、軍隊式の内勤の多い連中と外に向いた業界では、どうしても内勤業界は人慣れしていないだけに傲慢な態度に映り、対立が深まっていさえする。一旦はクビになりそうだった自分がそのタイミングで戻って来て、それやりますよと。これまでのノウハウで、相手の業界を走り回って機微扱いプロセス考えて整え、満願とはいかないものの、取りあえずうまく行ってます。

そんな3度目の正直だった訳ですが、経験的に一番の障害はなにかといえば、身内です。

物事成立させる為には、メジャーなプレーヤーに働きかけなければ何事も動きません。そこは、相手の業界を知って地雷を踏まない様に機微を考え抜いて進める訳ですが、当座安全なシェルターで「大人のエロ本」的に溜飲を下げているばかりの人々には、それが出来ない。特に内情苦しくなる程、仕事より椅子取りゲームに長けた連中が残りがちで、知見は偏り狭くなり判断できない。
 
メジャープレイヤーの賛同者をお呼びしたと騒いでいるので、どれどれと覗いてみれば、その業界の意思決定とはおよそほど遠い、むしろネトウヨとつき合っている事で逆に食ってるオピニオンリーダー的な人間だったりする。一方、私の様にガチで外部と当たる存在が、自分達の安寧なポジションと気分を保全して肯定する事にならないのであれば、合理的な大同小異の判断等つかず、ムードで、結果意思持ってネガキャン張って潰しにかかられるのと同じ様な事になる。

この様な自分の居場所から出た事が無い、社外の経済合理性を無視する、言ってみれば、ネトウヨ、反原発デモ的な連中が社内世論を形成してしまう事が一番の障害です。その後物事うまく行って後も、そのような人達は結局は変わりません。

むしろ、手柄を掠めとることを狙って自己実現だけ考えている連中の方が助けになる。その価値や、自分で出来ない事を判ってるからです。合理性を持っている。


ちょっと救いが無い用に感じますが、希望もあって、安全圏に居られずに、生活かけて、現場で丁々発止を一緒に経験する人達は学ぶ。かれらは傲慢になる隙間もなく、世論的に無理だと思っていた局面を工夫でなんとか進めて行く現場を目の当たりにするので、驚きや達成感も大きい。世論と現実は解離しており、世論はむしろ扱うものだとわかるようになる。


つまり、中田さんの言う事とおなじです。現場の合理性で世の中まわっている。


それを身で知らずにムードに乗って語ることなど、ここまでつらつら書いて来ましたが、物事進める上で障害でしかない事が多い。追い風になっても、課題と直接は関係が無い。


一家言あると自分で思うような人ほど、是非読んで欲しい一冊です。


しかし、このムードというものですが、やはり日本人は流されやすいのかもしれません。snsの過剰な隆盛というだけではなく、はるか昔から、重要なモラルやしきたりは、「外孫」にやらせると言うことがあります。つまり内輪だと同質化が強すぎて、外の因子を呼ばなければグダグダになるという事を昔から理解していたのではないかと思っています。


長くなりすぎましたので、この辺で。
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